社内に眠っている各種データを活用するための基盤・ダッシュボードの開発事例
株式会社プログリット様
課題/お問い合わせ背景
データ基盤が統合されていないために、様々な問題が社内で起きていた
各種資料に必要なデータ集計が毎度手作業で行われているため、作業工数がかかる上にスピーディな意思決定ができない
事業横断的なデータ分析に工数がかかるため、会社全体での最適化がうまくできていない
ネイティブアプリを開発しているが、各種DBが紐付いておらず蓄積されているデータを十分に活用できていない
今後の運用負荷を考慮し、できる限り実装部分はビジネスサイド・アナリストでも対応できるような設計にしておきたい
本格的なデータ基盤の構築は初めての試みだったため、インフラや技術選定、運用面含めた全体設計に携わり、一緒にプロジェクトを進行してくれる外部パートナーを探していた
ポイント
堅牢かつ運用しやすいアーキテクチャ設計 個人情報の取り扱いやインサイダー情報の統制、監査対応など、一定のセキュリティや権限管理の設定ができるようにしつつ、仕組みが複雑にならないよう配慮したアーキテクチャ設計・開発を実施。 | データ活用促進と人的工数削減の両方を叶えるダッシュボード構築 経営会議や事業戦略策定、アプリ運用など様々な用途を兼ね備えた、リテラシーを問わず使いやすいダッシュボードを設計。運用負荷をなるべく軽減できるようなツール選定もサポート。 | 3ヶ月半での短期構築 基礎となるデータ基盤のインフラとパイプライン、可視化のためのダッシュボードの構築を3か月半で終える必要があったため、Hakkyのナレッジを活かして短期間でガバナンスの効いた基盤の開発を実現。 |
事例の詳細
3ヶ月半の短期間でデータ基盤とダッシュボードの両方を完成させるため、以下メンバーでプロジェクト体制を組み、週に一度の定例を開催し、プロジェクトボードをもとに進行を行いました。
プログリット様
マーケティング担当:1名
エンジニア担当:1名
Hakky
プロジェクトマネージャー:1名
インフラエンジニア:1名
データエンジニア:1名
データアナリスト:1名
①堅牢かつ運用しやすいアーキテクチャ設計
今回、ほぼまっさらの状態から新たにデータ基盤を構築する上で、以下が技術選定の際にポイントとなりました。
上場企業のため、監査対応やインサイダーの発生に注意を払った基板設計である必要があること
但し、データ基盤に割けるエンジニアリソースが潤沢ではないため、可能な限り運用負荷を押さえること
これらを踏まえ、インフラとデータパイプラインのそれぞれで以下の判断を行いました。
インフラ:Terraformをベースに構築
セキュリティなどを考慮して硬く作る必要があるが、今後の拡張を見据え、Terraformで開発することで変更の際の属人化を防止することが可能に
データパイプライン:SaaSを積極活用
エンジニアリソースをあまりかけずに運用できるため
また、BIツールについては元々Tableauを使用されていましたが、今後全社的にデータ活用促進を行っていくために総合的に判断を行った結果、中心に据えるツールとしてはLooker Studioを採用し、一部、従来の作業の継続性を担保するためにTableauも平行利用を続ける意思決定を行いました。
このようなツール選定の際、どうしてもコスト観点の判断が優位に立ちがちですが、そこだけで判断をしてしまうと利便性や作業効率を落としてしまうことに繋がるケースも多々あります。
ケースバイケースですが、今回はTableauとLooker Studioの両方を活用シーンに分けて採用する判断を、プログリット様と議論を重ねて結論を出しました。
Hakky Handbook:”【BIツールの選び方】各BIツールの使いやすさ以外の観点から見たときの選び方”
②データ活用促進と人的工数削減の両方を叶えるダッシュボード構築
元々社内の様々な会議等でデータの利用・分析は行われていたものの、利便性を高め更なるデータ活用の促進を行うために、あらゆる社内のデータソースをGoogle CloudのBigQueryに連携しました。
■作業のポイント
個人情報を含むカラムを精査、マスキング処理を施してデータ連携処理を開発
毎回手作業で対応しているレポート用のデータ集計をBIツールで定常的に可視化できるようにすることで、作業工数を削減
主導管理のデータはGoogle Spreadsheetに集約し、サービスやセールス、広告データと紐づけて分析できるように連携
③3ヶ月半での短期構築
限られた期間内に全ての作業を完了させるために、Hakkyのアセットを最大限活用したDMBOKベースのデータ基盤構築をGoogle Cloudで実践しました。
Hakkyの内部で蓄積しているデータ基盤構築に関するアセットとして、IaC(Terraform)のコードをベースに「組織ポリシー・権限管理・監査ログ・脅威検出・予算アラート」の設計・開発を行い、短期間でガバナンスの効いたデータ基盤のインフラを構築しました。
今後の展望
今回のプロジェクトを経て、まずはデータ基盤の基礎となるインフラや技術選定の部分が完了し、一番優先度の高かったダッシュボード構築も完了したため、社内でのデータ活用促進を開始するための土台が完成したといえます。
今後は、実際に業務利用を開始して、全社的にデータ基盤・ダッシュボードをフル活用できるよう利用促進を行っていくとのことです。
編集後記
データを管理する上で、どうしても手作業に頼ってしまい運用の見直しをするタイミングもなく、作業者の負荷が高くなってしまっているケースは多々あります。
今回はプログリット様とのお取り組みを通して、Hakkyならではの文化をベースにしたドキュメント作成やアセットを最大限活用する形で、短期間でもガバナンスの効いた基盤の開発を行うことができた案件となりました。
普段からさまざまなデータソースやエクセルを使った定常業務をされている会社様は、データ基盤を正しく構築しなおすことで工数削減および分析の質を高めることができる可能性があります。ぜひ、お問い合わせください。
株式会社プログリット様ご紹介
「世界で自由に活躍できる人を増やす」をミッションに、本気で英語力を身につけたい方をサポートするサービスを提供。短期間で英語力を伸ばす英語コーチングサービス「プログリット(PROGRIT)」を主軸とし、シャドーイングに特化したサブスクリプション型英語学習サービス「シャドテン(SHADOTEN)」も展開しています。2022年9月、創業6年で東証グロース市場上場。